戦う前に 2015 2 15

書名 Newsweek 2015 2 17 ニューズウィーク日本版
    「ISIS殲滅戦」

 今週の「Newsweek」の表紙には、
大きく、「ISIS殲滅戦」とあり、刺激的なタイトルになっています。
 物事には、順番があって、
戦う前に「何のために戦うのか」を定義する必要があります。
 「大義なき戦争」と言われたイラク戦争では、
イラクへ派遣された米兵に、
想定外の数でPTSDを発症するケースが相次ぎ、
さらに、帰国後、自殺をする兵士が多かったことも、
想定外だったと思います。
 兵士に「この戦争は、大義がないのではないか」という迷いがあるのは、
時として、兵士の人生にとって、よくないのです。
 今回の「イスラム国」への空爆も、スッキリしないものがありました。
そもそも、「イスラム国」が台頭したのは、
オバマ政権が、シリア内戦を放置したからではないか。
あるいは、シーア派中心のイラク政府が、
スンニ派を冷遇したからではないか。
 そういう思いが、現場の米兵にはあったと思います。
大統領の命令だから、「イスラム国」を空爆するが、
なんとなく、少しスッキリしないものがあるという感じだったと思います。
これが、2014年12月までの戦況だったのです。
 ところが、2015年1月になって、
「イスラム国」は、「平和ボケをしている」とまで言われる日本人を殺害し、
さらに、ヨルダン人パイロットを生きたまま焼き殺すという残虐性を示しました。
 「イスラム国」が公開した動画では、カメラは、
ヨルダン人パイロットが息絶える最後の瞬間をアップで映し出したのです。
 これで、「イスラム国」は、「悪魔の国」という認定になり、
現場の米兵は、何の迷いもなくミサイル発射ボタンを押せるようになったのです。
むしろ、ミサイル発射ボタンを押す時に、力が入るようになるでしょう。
 たとえ、「イスラム国」を殲滅しても、
PTSDを発症することなく、スッキリとした状態で帰国できます。
 なにしろ、相手は悪魔であり、
悪魔を倒すことは、神が望むことだからです。
 ただし、気になることがあります。
「イスラム国」が滅んだ後で、その空白を埋めるのは、
シリアでしょうか、イランでしょうか。
 権力は空白を嫌う。

 さて、2015年2月4日の時事通信社には、
このようなニュースがありました。

「イスラム国は神に宣戦布告」 スンニ派権威

【カイロ時事】エジプトにあるイスラム教スンニ派の最高権威機関アズハルのタイイブ総長は、
2月4日、過激組織「イスラム国」が、
ヨルダン軍パイロットの殺害を主張する映像を公開したことを受けて声明を出し、
イスラム国構成員は「殺害されるべきだ」と激しく非難した。
 タイイブ総長は、イスラム国の行為は、
「アラー(神)や預言者ムハンマドへの宣戦布告」と指摘。
「殺害、はりつけ、手足切断に値する」と訴えた。
 アズハルはイスラム穏健派を代表する機関として知られ、
これほど強い調子の非難声明を出すのは異例。








































































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